レーザー彫刻の基本用語をわかりやすくまとめてみた

基礎知識

レーザー彫刻を始めたばかりの人がまずつまずくポイント、それは**「専門用語が多すぎる!」**ということ。

「出力?スピード?ベクター?ラスタ?……なにそれ?」
説明書や設定画面を見ても、カタカナと英語ばかりで混乱してしまいますよね。

この記事では、初心者がよく目にするレーザー彫刻の基本用語を、できるだけシンプルに・実際の使い方と合わせて解説します。
これを読めば、設定画面の意味がぐっとわかりやすくなります!


🧠 1. 基本設定まわりの用語

レーザー彫刻をするときにまず触るのが「出力」「スピード」「回数」などの設定です。
これらは“どれだけ強く、どれだけ早く、何回彫るか”という基本中の基本。

用語意味初心者向けの理解ポイント
出力(Power)レーザーの強さ。数値を上げるほど強く彫れる。強すぎると焦げたり溶けたり、弱いと彫れない。素材に合わせて調整。
スピード(Speed)レーザーの動く速さ。速くすると浅く、遅くすると深く彫れる。出力とのバランスが大事。
回数(Pass)同じ場所を何回彫るか。厚い素材を切るときなどに使用。1回では切れない素材に便利。
フォーカス(焦点)レーザーが一番鋭く集まる位置。焦点が合っていないと線が太くなったりムラが出たりする。

🪄 ポイント:
初心者のうちは「出力とスピード」をセットで調整する感覚をつかむことが大切です。


🧰 2. 加工モード関連の用語

レーザー彫刻には、大きく分けて「線で彫る」「面で彫る」「切る」という3つのモードがあります。

用語意味ポイント
ベクター彫刻(Vector Engraving)線データをなぞって彫るモード。ロゴや文字の輪郭、切断線などに使う。
ラスタ彫刻(Raster Engraving)画像のように面をスキャンして彫るモード。写真やイラストを“塗りつぶす”ように加工。
カット(Cut)素材を完全に切り抜く加工。出力を上げてスピードを下げると綺麗に切れる。
グレースケール(Grayscale)明暗によって彫刻の深さを変える方法。写真をリアルに再現したいときに使う。

💡 ワンポイント
「ベクター=線」「ラスタ=面」と覚えておくと混乱しません。


📐 3. データ・ソフト関連の用語

デザインデータの作り方も、最初は戸惑う部分。
「SVG」「Gコード」などは難しそうに見えますが、基本を押さえれば簡単です。

用語意味ポイント
ベクターデータ線や形を“数式”で表現したデータ(SVGなど)。拡大・縮小しても劣化しない。ロゴや文字に最適。
ラスタデータピクセル(点)で構成された画像(JPEG/PNGなど)。写真やイラストに使う。大きくするとぼやける。
Gコード(G-code)彫刻機の動きを指示する命令文。LightBurnやLaserGRBLが自動で生成するので自分で書く必要はなし。
LightBurn / LaserGRBL彫刻データを作って送信するソフト。操作性・対応機種・有料/無料の違いを理解して選択。

🧩 豆知識
InkscapeやCanvaでデザインを作って、SVG形式で書き出すと、LightBurnにそのまま読み込めます!
LightBurnのインストール・初期設定については過去の記事で紹介しています👇


🔩 4. 機械や部品に関する用語

レーザー彫刻機本体や周辺機器にも、知っておくと役立つ用語がたくさんあります。

用語意味得意な素材・特徴ポイント
ダイオードレーザー(青色レーザー)小型・青色光(波長450nm)を使うタイプ。木、革、竹、アクリル(色付きのみ)。家庭用に最も多いタイプ。コスパが良く、安全性も高い。
CO₂レーザー(ガスレーザー)二酸化炭素ガスを使った赤外線レーザー(波長10.6μm)。アクリル、布、ゴム、紙、木など。出力が高く、滑らかなカットが得意。価格はやや高め。
ファイバーレーザー(Fiber Laser)光ファイバーで増幅した赤外線レーザー(波長1064nm)。金属(ステンレス、アルミ、真鍮など)。金属彫刻・マーキング専用。非常に高精度で深く彫れる。
IRレーザー(Infrared Laser)近赤外線レーザー。ダイオード機のオプションとして搭載されることも。プラスチック、金属の表面マーキングなど。ダイオードより細かい彫刻が可能。スマホ部品やICチップ刻印にも使われる。
Z軸(高さ)調整レーザーヘッドの上下位置を変える機構。厚みのある素材に焦点を合わせるときに必須。
ワークエリア加工可能な範囲(例:300×300mmなど)。大きいほど自由度が高いが、設置場所も広く必要。

⚙️ 5. 運用・実践で役立つ用語

彫刻をスムーズに進めるために、周辺装置や運用用語も覚えておきましょう。

用語意味ポイント
エアアシスト加工中に空気を吹き出して焦げや煙を減らす装置。彫刻面が綺麗になり、切断精度もアップ。
フィルター / 排気装置煙や匂いを外へ逃がす設備。室内で使う場合は必須。DIYで排気ダクトを作る人も多い。
テストパターン最適な出力やスピードを探すための試し彫りデータ。素材ごとに作っておくと再現性が高まる。
ジグ(固定具)素材を動かないように固定するための治具。同じ位置に正確に彫れる。大量生産にも便利。

💨 実践のコツ
最初は「煙が出るのは普通?」と不安になりますが、適切な排気・出力なら問題ありません。
焦げやニオイが気になる場合は、エアアシストを導入してみましょう。


🪵 6. よくある混乱ポイントQ&A

Q1. 出力とスピード、どっちを調整すればいいの?
👉 両方セットで考えましょう。焦げるときは「出力を下げる」か「スピードを上げる」です。

Q2. フォーカスは毎回合わせないとダメ?
👉 素材の厚みが違うと焦点距離が変わるので、都度チェックするのがベターです。

Q3. “ベクター”と“ラスタ”の見分け方は?
👉 線で描いたロゴや文字=ベクター。写真のように濃淡があるデザイン=ラスタです。


🪞 7. まとめ:言葉がわかると操作が楽しくなる!

最初はややこしく感じるレーザー彫刻の用語も、
意味が分かるようになれば、解説動画や解説記事も一気に読みやすく、頭に入ってくると思います。


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